犬の躾・訓練・トレーニングについて

犬の社会化期

　犬の社会化期とは、生後４５日～９０日くらいの子犬で、母犬や兄弟犬と過ごして社会性を覚える期間のことを言います。犬にとってのルールや習性を生活の中で自然に学ぶ大切な期間です。この社会化期に基本的なことを学べなかった子犬は、問題行動の多い子犬、躾が難しい犬になる可能性があります。

群れ（犬社会）のルール

　犬の社会では「群れで暮らす」ことが自然で、その群れには「リーダー」が存在します。
リーダーは、群れの中で「強い犬」と認められた犬が成ります。他の犬はこのリーダーに従うことで群れが成り立ち、自分の居場所を理解します。

加減を学ぶ

　子犬は兄弟でじゃれ合う事が仕事みたいな物で、そんなじゃれ合いで噛み合いに成ることも多いです。
初めは力加減が分からないため、強めに噛んだり噛まれたりのじゃれ合いですが、「仲間へ危害を与えない」という犬の本能から力加減を学びます。また、犬同士の付き合い方や「群れ」の何たるかを学んでいきます。

犬は本来きれい好き

　犬は本来きれい好きで、自分の寝床では排泄はせず、離れた場所でする本能があります。
社会化期に狭く排泄場所も無い場所で過ごした犬は、やむをえず身近な所で用を足す「何処でもトイレ」状態の犬になってしまいます。ペットショップなどで、狭いガラスケースの中で過ごす子犬はそう成る可能性はかなり高いと思います。

訓練・トレーニングの開始時期

　飼い主がトレーニングを開始するに最も適した時期は、生後９０日（人間の５歳）を経た頃です。お勉強を始める時期は人も犬も同じですね。

　先に述べた、「犬の社会化期」を学べて無い子犬は問題行動があったり、躾や訓練が難しい場合があります。
昨今、この社会化期が短く本来学ぶべき事を学べて無い状態で、ショップに来る子犬が多い事が問題視されています。

　人間もそうですが、子供の頃は覚えが早いです。自然にどんどん学びます。
犬は生後、約１年半で２０歳に成ります。その後は平均的に歳を取ります。（「犬の年齢」を参照）
それを考慮すると、生後９０日から１年半位がトレーニングを行うベストな期間と言えるでしょう。でも、必ずしもこの期間を過ぎたから駄目と言うことはありません。犬の個体にもよりますが、生後９０日から１年半位が学習するに適した期間と言う事で、過ぎてもトレーニングが必要ならば続けるべきです。