犬種によるグループ分け
犬のグループ分けとは、大雑把(アバウト)に言うと狩猟犬、牧羊犬、仕事犬(警察犬等)、愛玩犬等になります。JKC「ジャパン・ケンネル・クラブ」やAKC「アメリカン・ケンネル・クラブ」等のクラブによってもグループ分けが違います。
ここでは主にAKC「アメリカン・ケンネル・クラブ」によるグループ分けを紹介していきます。
犬、オオカミ、狩猟 グループ分けの基本的な考え方ですが、16世紀頃の欧米で銃器が発明され狩猟が流行りました。その狩猟の方法や仕事の違いにより分けられているみたいですね。つまりどんな動物の猟が得意か、または猟以外では牧畜犬等で分けられているみたいです。因みにAKCの分類は7グループとなっています。それに対し、JKCは10グループとなっています。
とりあえずJKCのグループ分けを少し見てみましょう。
JKC「ジャパン・ケンネル・クラブ」のグループ分け
- 牧羊犬・牧畜犬
家畜の群れを誘導・保護をする犬 - 使役犬
番犬・警護・作業をする犬 - テリア
穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬 - ダックスフンド
地面の穴に住むアナグマや兎用の猟犬 - 原始的な犬・スピッツ
日本犬を含む、スピッツ(尖ったの意)系の犬
- 嗅覚ハウンド
大きな吠声と優れた嗅覚で獲物を追う獣猟犬 - ポインター・セッター
獲物を探し出し、その位置を静かに示す猟犬 - 7グループ長嶺犬鳥猟犬
7グループ以外の鳥猟犬 - 愛玩犬
家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬 - 視覚ハウンド
優れた視覚と走力で獲物を追跡捕獲する犬
AKC「アメリカン・ケンネル・クラブ」によるグループ分け
AKC「アメリカン・ケンネル・クラブ」によるグループ分けは以下の7グループになります。
- スポーティング・グループ SPORTING GROUP
- ハウンド・グループ HOUND GROUP
- ワーキング・グループ WORKING GROUP
- テリア・グループ TERRIER GROUP
- トイ・グループ TOY GROUP
- ノン・スポーティング・グループ NON・SPORTING GR0UP
- ハーディング・グループ HERDING GROUP
スポーティング・グループ SPORTING GROUP
猟の際、獲物の居場所をハンターに知らせる「ストップ犬」とハンターが撃ち落とした獲物を回収する「運搬犬」に分けられます。狩猟が生活にとって不可欠だった当時、狩猟民族にとってこのグループの犬は非常に大事な存在で、狩りの効率を上げるために猟犬の改良は必須でした。そのためこのグループの犬種向上はめざましいものがありました。
- アイリッシュ・ウォーター・スパニエル
- アイリッシュ・セッター
- アメリカン・ウォーター・スパニエル
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セッター
- イングリッシュ・ポインター
- ウェルッシュ・スプリンガー・スパニエル
- カーリー・コーテッド・リトリバー
- クランバー・スパニエル
- ゴードン・セッター
- ゴールデン・リトリバー
- サセックス・スパニエル
- ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
- ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター
- チェサピーク・ベイ・リトリバー
- ビズラ
- フィールド・スパニエル
- フラット・コーテッド・リトリバー
- ブリタニー・スパニエル
- ラブラドール・リトリバー
- ワイアーヘアード・ポインティング・グリフォン
- ワイマラナー
ハウンド・グループ HOUND GROUP
テリア種を除く獣猟犬を「ハウンド」と言います。このグループは「嗅覚ハウンド」と「視覚ハウンド」に分けられます。ハウンド・グループによる獣猟は、犬が獲物を探してハンターに猟の方法を伝えたり、馬に乗ったハンターが複数の猟犬を連れて犬に猟をさせる方法などがあります。
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・フォックスハウンド
- イビザン・ハウンド
- イングリッシュ・フォックス・ハウンド
- ウィペット
- オッターハウンド
- グレーハウンド
- サルーキ
- スコティッシュ・ディアハウンド
- ダックスフンド
- ノルウェジアン・エルクハウンド
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- ハリア
- ビーグル
- ファラオ・ハウンド
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- ブラック・アンド・タン・クーンハウンド
- ブラッド・ハウンド
- ボルゾイ
- ローデシアン・リッジバック
ワーキング・グループ WORKING GROUP
このグループの犬種は狩猟以外の仕事に従事する犬です。ここで言う狩猟以外の主な仕事は警察犬、税関検査犬、盲導犬、山岳・海難救助犬などがあげられます。そのためこのグループに求められている犬は、忠実で有ることや頑健な体であることが求められています。
- アラスカン・マラミュート
- クーバース
- グレート・デン
- グレート・ピレニーズ
- コモンドール
- サモエド
- シベリアン・ハスキー
- ジャイアント・シュナウザー
- スタンダード・シュナウザー
- セントバーナード
- ドーベルマン・ピンシャー
- ニューファンドランド
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- ブル・マスティフ
- ポーチュギーズ・ウォータードッグ
- ボクサー
- マスチフ
- レオンベルガー
- ロットワイラー
テリア・グループ TERRIER GROUP
テリアとはラテン語で「土を掘る」という意味を持ちます。土の中や岩穴などに潜むキツネやウサギ、アナグマ、イタチやモグラ、野ネズミなどの畑など荒らす小害獣を駆除するための犬種です。この猟犬は獣猟を仕留めるというより、害獣を巣に追い詰める事が仕事になります。
ミニチュア・シュナウザー以外ほとんどのテリアがイギリス原産です。
- アイリッシュ・テリア
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルッシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・テリア
- ケアーン・テリア
- ケリーブルー・テリア
- シーリハム・テリア
- スカイ・テリア
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スムース・フォックス・テリア
- ソフトコーテッド・ウィートン・テリア
- ダンディ・ディンモント・テリア
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
- パーソン・ラッセル・テリア
- ブル・テリア
- ベドリントン・テリア
- ボーダー・テリア
- マンチェスター・テリア
- ミニチュア・シュナウザー
- レークランド・テリア
- ワイアー・フォックス・テリア
トイ・グループ TOY GROUP
トイ・グループと聞くと小型犬、愛玩犬をイメージしますが、現在飼われている犬のほとんどが「愛玩犬」と考えろ事も出来る。日本で言う「愛玩犬」とは小型の室内飼育犬を言いますが、欧米では大型犬でも室内飼育されているので、「小型犬」=「トイ・グループ」とは一概に言い切れません。
そもそも「トイ・グループ」の犬種は犬の原産国の文化や風土などに適応した珍しい小型犬が多く、また大型犬を小型に改良した犬も多く含まれます。「トイ・グループ」はグループの括りが若干フワフワしたところがありますが、大きさはあまり気にしない普通に家庭で飼われている犬のことで良いのかなって思います。
- パグ
- パピヨン
- ブリュッセル・グリフォン
- ペキニーズ
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
ノン・スポーティング・グループ NON・SPORTING GROUP
「ノン・スポーティング・グループ」とは狩猟時代で、鳥猟に使えるか使えないかで分けた、使えない派のグループです。そんな訳で犬種の主体性はあまり無く、体格の大小や形態が違う犬種も多い寄せ集めグループっぽいところから「コンパニオン・グループ」と呼ばれることもあり、イギリスではこのグループの犬種を「ユーティティ」と呼んだりもします。
- キースホンド
- シャー・ペイ
- スキッパーキ
- スタンダード・プードル
- ダルメシアン
- チベタン・スパニエル
- チベタン・テリア
- チャウチャウ
- ビション・フリーゼ
- フィニッシュ・スピッツ
- ブルドッグ
- フレンチ・ブルドッグ
- ボストン・テリア
- ラサ・アプソ
ハーディング・グループ HERDING GROUP
「ハーディング・グループ」の犬種は「牧羊犬」のことを言います。嗅覚や聴覚などに優れ、色々な外敵から家畜を守り、バラバラになった家畜をまとめて牧舎に連れて来たり、誘導したりの賢い犬種です。
牧羊という仕事柄、服従性に優れ高い誘導能力を兼ね備えた犬種です。
- ウエルシュ・コーギー
- オーストラリアン・キャットルドッグ
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
- コリー
- シェットランド・シープドッグ
- ジャーマン・シェパード
- ブーベェ・デ・フランダース
- プーリー
- ブリアード
- ベアデッド・コリー
- ベルジアン・シープドッグ
- ベルジアン・タービュレン
- ベルジアン・マリノア
- ボーダーコリー
日本原産犬種 (おまけ)
- 秋田犬
- 甲斐犬
- 紀州犬
- 柴犬
- 狆